注意、表示される資料と写真は二十六聖人記念館所有のものです。無断使用、転載を固く禁じます。

ザビエルの手が描いた署名、 聖フランシスコ・ ザビエル書簡

アンボイノ(インドネシ ア)発、1546年5月16日付(天文15年4月17日)、ポルトガルの王ジョア ン三世宛、聖フランシスコ・ザビエル書状。この記念館の宝物である。ザビエルが来日する前とは言え、この時期にザビエルが来日の計画をたてていた可能性が 十分にある。その時までの宣教に対する援助を感謝しながらこれからもその支えを願う手紙である。『ザビエル全書』の日本語訳を含めて、様々な言語に 訳されている。

正式文書であるので、三通が同時に作成され、本文は書記者の手により、最後の一行と署名はザビエル自身の手による。内容を読む

この遺物入れに は二十六聖人の 一人であるヤコブ・喜斉の骨の一部が保管されている。これほど大きな 遺物が迫害時代で破壊されなかった理由は、宣教師がこれをヨーロッパに送り、スペインで保管されていたからである。二十六聖人が設立された後、ここで展示 されるために送り返されてきた。

「ローマを見た」福者 中浦ジュリアンの思いが込められた書簡。口之津発、1621年9月21日付(元和7年8月6日)、ローマのヌノ・マスカレナス総長補佐宛の 中 浦ジュリアン神父自筆書 状。中浦神父が少年使節の一人であり、帰国してからイエズス会の神父として迫害時代に幅 広く活躍し、1633年10月21日に、この西坂で殉教を遂げた偉大な人物である。2008年11月24日に列福された一人である。ジュリアン年表

書 簡の写真、そのテキストと日本語訳がパンフレットの形で結城神父によって出版され、¥120で記念館で販 売されている。

迫害を生き抜いた雪のサンタ・ マリア

この「雪 のサンタ・マリア」は、現在に至るまで日本に残った 数少ない17世紀の宗教的作品の一つである。西洋的なマリア絵を日本の色彩と技法によって描かれている珍しい作品である。作者・作成年代不詳ではあるが、 1600〜1614年の間、南蛮絵師により、長崎で作られたと思われる。

関連史料はここ

画像にクリックすれば精密写真ぺーじが開く。

丹生出土木彫ピエタ(県文化財指定)

丹 生 (大分)で発掘された小さな聖母子像。十六世紀ころのも のとみられる。ほかのキリシタンの祈りに使う資料と一緒に瓶に入って深く埋められてい て、偶然に発見された。当時のホスチア(ミサに使われるパン)の一部を含めたこの資料集は県文化財に指定されている。。

銅造弥勒菩薩像 鞍(県文化財指定)

この弥勒菩薩像は、国内の最古の一つと思われている。

6−7世紀の朝鮮製とされる。 美術的な価値と同時に隠れキリシタンが祈りに用いた経歴があり、日本の歴史を物語っている宝物である。

昭和57年に県文化財に指定された。

サン・フェリペ号の模型。 1596年に浦戸(四国)に難破し、秀吉、その家臣達とこの船の船長 の激しい論争の結果の一つとして二十六聖人が処刑されたといわれるほど「運命の船」であった。

下総、 天和2年5月(1682年6月)の禁制の高札。 神父、イルマン(修道士)、立ち返りの訴人に褒賞金の内容を示す。

釈文と要約以下に示す。

 

切支丹宗門は累年御制禁たり自然不審成もの有之は申出へし御ほうびとして

はてれんの訴人 銀五百枚

いるまんの訴人 銀三百枚

立かへり者の訴人 同断

同宿并宗門の訴人 銀百枚

右之通可被下之たとひ同宿并宗門之内たりといふとも訴人に出る品により銀五百枚可被下之隠置他所よりあらはるゝにおゐては其所之名主并五人組迄一類ともに 可被処厳科者也仍下知如件

天和二年五月日

 

〔定

キリシタン宗門は長年禁止されている。もし不審な者があれば、訴え出よ。その褒賞として、司祭のことを訴え出た者には銀五百枚、修道士のことを訴え出た者 には銀三百枚、立ち返りの者を訴え出た者には同じく銀三百枚、同宿や宗門の者を訴え出た者には銀百枚を与える。

以上のように命令を下すものである。たとえ同宿や宗門の徒党であっても、訴え出る品によっては、銀五百 枚を与える。隠し置いてほかの所から発見されるようなことがあれば、その所の名主や五人組など、一族までも罪科に処せられるものである。命令は以上のとお りである。

天和二年五月〕

ザ ビエル、永遠の巡 礼者

この17世 紀の木彫りでザビエルがスペインの「サンチアゴへの道」巡礼者の姿を示す。作者が神に向かって歩んだザビエルの「旅人」の心構えを表そうと したであろう。 また、手に持っている本は人々に「イエスの道」(福音)を示す方法を最後まで探し求めたザビエルの姿が描かれているようである。

右の木彫りメダリオンは3世紀前に作られたと思わ れる。傷が多いがまだザビエルの熱心さを伝える作品である。

装 飾つき巨大な聖歌集

十五世紀に作成された羊皮紙交誦聖歌集。アヴィラ(スペイン)の修道院 で使われていた。

保存状況が良くて、手書きの色模様や譜面の鮮やかさが保たれている。

普段のグレゴリオ聖歌と違って五線の譜面が使われている。

舟越保武の 「高山右近」
高山右近』ブロンズ、1966年、舟越保武 作、80センチ。 26聖人記念碑を作成した舟越先生の案外に知られていない名作の一つとでも言うべきであろう。
舟越先生のブロンズの使い方、人の心を描く経験の重なりを示している作品である。苦しみを体験した右近の眼差しが身の回りにある日常的なものではなく、は るかに広い世界に向けられている。
力に満ちた大名がすでに自分のことではなく、日本の将来を考えているとでも思わせる深い作品である。
メ キシコの古十字架像

今月から新しく展示品に加わった17世紀の十 字架像。

メキシコの

インディオによって、トウモロコシ葉を粉にして制作されたもので、精密な顔の表情が特徴的である。

All Rights reserved. No copy or use without permission.Written in Unicode(UTF-8)